「ライセンス契約」は、「実施許諾契約」とも言われます。特許権等の知的財産権を有する権利者が、その権利内容を実施することの許諾を与える条件を定めた契約です。契約を取り交わす際には、特に、実施料をどのように決定するかが問題となります。
(1) 実施料(ロイヤルティ)
実施を許諾する際の実施料(ロイヤルティ)をどのように決定するかは、最重要事項の一つです。まず、実施料収受のタイミングに関しては、最初に一括して収受する「イニシャルペイメント」方式、一年(もしくは半期)ごとに実施状況に応じて収受する「ランニングペイメント」方式、あるいは、その二つの組合せ方式があります。
(2) 実施料の計算方法
実施料の収受では上記の「ランニングペイメント」方式が多用されていますが、その場合の実施料は一般的に以下のように計算されます。
実施料 = 製品の単価×実施料率×販売総数
ここに、さらに特許の適用率といった割合を掛け合わせる場合等もあります。
(3) 実施料率
残念ながら、実施料率については法定の数字等が無いため、世間相場での標準的な料率を用いる等によって決定されていますが、業界・製品・両者の関係等に応じて異なります。
(4) その他の注意事項
契約の際には、その他にも重要となる事項があります。実施料の支払い期間、帳簿の保管と閲覧、権利侵害が発生した場合の対応、改良技術の取扱い、等に特に注意が必要です。