知財関連コラム

ビジネスに役立つ商標  ホームズくんの類似判断

 「ホームズくん」という文字商標をA社が出願したところ、特許庁では添付のような先登録の引用商標と類似であるため拒絶し、拒絶査定不服審判でも拒絶審決が出たため、知財高裁において類似か非類似かを争っていた審決取消訴訟の判決が出ました。
 A社は、引用商標のキャラクターと、ホームズ君の文字と、耐震フォーラムの文字が密接不可分となっており、ホームズ君の称呼のみ類似するとしても商標全体として外観および観念が全く異なっていることを主張しました。
 しかし、判決では、引用商標の「ホームズ君」、「耐震フォーラム」、キャラクターそれぞれを分離観察が可能であるとして、「ホームズ君」を全体から分離して「ホームズくん」と比較することができるとし、「ホームズ君」と「ホームズくん」は「くん」の部分が漢字かひらがなかの違いだけであって、外観・称呼・観念すべて同一であると判断し、「ホームズくん」と引用商標は類似であるとしました。

 このように、図形やキャラクターと一緒に文字が書いてある登録商標が存在する場合、通常は図形と文字は分離してそれぞれ類似の判断が行われることが一般的です。


弁理士 傳田 正彦

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