ビジネスに役立つ商標 商標権の存続期間
商標権の存続期間は、設定の登録の日から10年をもって終了することが商標法によって定められています。そして存続期間は商標権者の更新登録の申請により更新することができます。
更新登録の申請は、存続期間の満了6か月前から満了の日までの間に行わなくてはなりません。このとき、弁理士等の代理人によって商標登録手続きをしていた場合には、代理人が期限を管理していることが一般的であり、更新時期が近付いてきたことをお知らせしてくれると思います。しかし、特許庁からは更新期限のお知らせはしてくれません。つまり、代理人無しで出願した場合、自分で更新期限の管理をしなくてはならず、その後の期限管理が非常に重要になってきますので注意が必要です。
なお、更新期限を過ぎても存続期間満了から6か月以内であれば、更新に必要な印紙代を倍額納付すれば更新は認められます(いわゆる倍額納付期間)。この倍額納付期間を過ぎてしまうと、商標権を更新する手立てはなく、商標権は消滅してしまいます。例外として、倍額納付期間経過後であっても、期間中に更新できなかった正当な理由があり、その理由がなくなった日から2か月以内で且つ倍額納付期間経過後6か月以内であれば、更新が認められます。これは主に震災や台風などの災害時において適用されますが、それ以外でも想定外のことが起こったときは認められる場合があるようです。
弁理士 傳田 正彦