知財関連コラム

ビジネスに役立つ商標 ミャンマーにおける商標法

 ミャンマーは、今まで他国と同じような商標制度が存在していませんでした。保護したい商標があれば、商標を所有している旨の登記をし、登記したことを新聞広告にて公表するようにしていました。
 かなり何年も前から、他国と同じような商標制度を設けるという話が出ていたのですが、2019年になってようやく商標法が議会にて承認されたようです。ただし、施行日については明らかになっていません。
 ミャンマーで制定された商標法を見ますと、商標登録の要件としては、識別性が無い場合、公序良俗に反する場合、他者の先登録又は先出願と同一または類似の場合は拒絶するなど(他にも様々な要件がありますが)日本を含め、他の諸外国と同様の審査を実行するようです。
 また、出願書類はミャンマー語又は英語で提出できます。ただし、登録官の要請があれば、ミャンマー語から英語、あるいはその逆に翻訳しなくてはなりません。英語で出願できるというのは、我々にとってはありがたいことです。
 また、商標の権利期間は出願申請日から10年間です。10年の期間満了後は、10年の期間で再度更新できます。日本の場合は起算日が登録日なのでその点では相違しています。
 ミャンマーの商標法の中には、地理的表示の登録についての条文も入っております。地理的表示を登録するための内容としては、該当する商品が生産される地域において、(a) 自然の産品又は天然資源から作成した商品を活用する者 (b) 農産物の生産者 (c) 手工芸品及び工業製品の製造者 (d) (a)(c)に記載の者のためにそれらの者を代表する政府又は政府機関を代表する法人が必要な要件に従って地理的表示についての登録申請を行うものとする、と規定されています。

弁理士 傳田 正彦

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