知財関連コラム

ビジネスに役立つ商標 特許庁と裁判所とで異なる判断

 特許庁では、出願された商標を先登録の商標と比較して類似するかどうか判断します。
 しかし、特許庁では非類似であると判断して登録になった商標でも、先登録商標の商標権者が類似であるとして使用差止及び損害賠償を求めて裁判になった例があります。
 原告は、商標登録第3112304号「ラドン健康パレス/湯~とぴあ」を所有する入浴施設の運営企業です。
 被告は、静岡県の地方自治体であり商標登録第5692791号「湯~トピアかんなみ」を所有し、日帰り入浴施設「湯~トピアかんなみ」を運営しています。
 このように、特許庁では「ラドン健康パレス/湯~とぴあ」と「湯~トピアかんなみ」は非類似であると判断して、双方を登録したのです。
 しかし、原告は、被告に対し商標権侵害に基づく使用差止と損害賠償を求めて東京地裁に提訴しました。東京地裁では2つの商標は類似していると判断し、使用差止と1234万円の損害賠償を認めました。

弁理士 傳田 正彦

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