知財関連コラム

知財Q&Aコーナー(1)

Q:新しいビジネス方法を考えたのですが、特許権による保護を受けることはできるでしょうか?

A:一時期、世間で話題となった「ビジネスモデル特許」と呼ばれる特許があります。その言葉のイメージから、新しいビジネス方法は全て特許権の対象となるかのような印象を受けます。実際に、「新しいビジネス方法を考えたのだけど、特許権で保護して貰えないだろうか?」といった問合せを時々受けることがあります。

しかしながら、原則として「ビジネス方法」は特許法による保護対象であるところの「発明」には該当しないため、特許権を取得することはできません。なぜならば、特許法上の「発明」となるためには、前提として「自然法則」を利用していることが必要とされているためです。

つまり、一般的なビジネス方法自体は自然法則を利用するものではなく、自然法則ではない経済法則のみを利用している、あるいは単なる人為的な取決めであるため、特許法上の「発明」には該当しないこととなります。

したがって、新しいビジネス方法は全て特許権の対象となる、といった捉え方は正しくありません。

では、「ビジネスモデル特許」として特許権で保護されるのはどのような場合でしょうか。それは、コンピュータ・ソフトウェアによって新しいビジネス方法が実現されている場合です。そのようなビジネス方法は、自然法則を利用したアイディアに該当することとなるため、特許法上の「発明」として認められるのです。これがいわゆる「ビジネスモデル特許」です。


なお、特許庁のホームページにおいても、「ビジネス方法の特許について」として詳しく説明されていますので、是非、参考にして下さい。

弁理士 岡村 隆志

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