知財関連コラム

知財Q&Aコーナー(78)

Q:「営業秘密」の漏洩事件は増加しているのでしょうか?
A:「営業秘密」とは、企業が秘密として管理している技術上・営業上の有用な情報のことを言います。具体的には、製造ノウハウや顧客リストといったものが挙げられます。
 近年、営業秘密の漏洩に関するニュース、記事等を多く目にするようになっているのも事実です。警察庁の統計資料によれば、昨年度の営業秘密漏洩等に関する事件として検挙された件数は、ここ10年程の間に2倍以上となっていることが公表されています。
 また、漏洩の経路としては、従業員のミスによるもの、退職した社員によるもの、取引先・共同研究先を経由したもの等が多くを占めているものの、その一方で、意図的に情報を持ち出すケースや、ネットワークを通じたいわゆるサイバー攻撃によるものも増加傾向にあるとの調査結果が出ています(経産省資料)。また、最近では国外への漏洩事件も目立っています。
 このような現状を踏まえれば、企業における営業秘密の保護はますます重要となっていることは言うまでもありませんが、特に留意すべき点として、営業秘密としての資料やデータは秘密状態を維持するための管理が適切になされていなければ、仮に漏洩したとしても法律(不正競争防止法)による保護を受けることができません。例えば、営業秘密が紙の資料の場合には鍵の掛かる保管室や棚に収納する等の方法によって、また、データの場合にはパスワードを掛ける、あるいはアクセス制限をする等の方法によって、いずれも正当な権限を有する者以外が情報に対して閲覧やアクセスができないようにすることが要件とされています。
(参考:警察庁犯罪統計、経産省資料)
弁理士 岡村 隆志

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