知財関連コラム

知財Q&Aコーナー(59)

Q:ソフトウェアを保護する際のポイントについて教えて下さい。
A:成果物としてのソフトウェア(プログラム)に対しては、先ず、著作権法および特許法による保護が考えられます。その際には以下のようなポイントが重要となってきます。
 例えば、他社が自社のソフトウェア(プログラム)を真似しつつも、独自にプログラムを完成させたような場合には、著作権法上は別個の著作物であるという扱いになるため、著作権を所有しているだけでは他社の類似作成を防止することができません。
 このようなときにソフトウェア(プログラム)について特許出願をしておけば、アイディア自体を保護することができるため、たとえ他社が独自に作成したものであっても権利侵害として対処することが可能です。
 そうなると、ソフトウェアの保護は特許権だけでも十分ではないかとも思われますが、特許権は正規に販売された製品の違法コピーにまでは効力が及びません。したがって、違法コピーを禁止することができる著作権も、やはり、ソフトウェアを保護する際には欠かせないものと言えます。
 なお、以上の内容は、あくまでも日本国内で保護を行う場合の考え方です。つまり、国によっては、ソフトウェア(プログラム)を、特許権の保護対象として直接記載することができない等の法制度となっている場合もあります。したがって、日本のみならず、外国においてもソフトウェアを保護する必要がある場合には、その国の法制度を事前によく確認しておくことが重要となります。
(参考:特許庁ホームページ)

弁理士 岡村 隆志

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